きものの雑学

法被(はっぴ)と半纏(はんてん)

法被(はっぴ)と半纏(はんてん)

日本のお祭りや文化祭で着用される「法被(はっぴ)」。防寒目的で昔から庶民の間で親しまれている「半纏(はんてん)」。どちらも形や見た目はさほど違いはありませんが、その歴史的背景は全く異なります。
法被は、江戸時代の初期に武士が家紋を大きく染め抜いて着用したことに始まります。当時は武士と庶民の身分の差を表すため、一般庶民の法被の着用は禁じられていたと言われています。一方、半纏は法被が出回る前から職人の間で広まっていました。主に庶民が着用していたもので、大工や職人、販売員、「火消し」と呼ばれた消防団員など、肉体労働者が着る制服として世に普及したと言われています。